学位
  • 博士(医学)
  • 理学療法士
所属学会
  • 日本理学療法士協会
  • 日本基礎理学療法学会
  • 日本神経系理学療法学会
  • 理学療法科学学会
  • 日本体力医学会
  • 北海道リハビリテーション学会
  • International Society for Posture & Gait Research
研究テーマ
  • 運動制御と運動学習に関する研究
  • 中枢神経疾患に対する理学療法に関する研究
  • 予防医学における理学療法の可能性に関する研究
連絡先
pt9431*gmail.com(*を@に変えて下さい)

主な担当
授業科目
  • 理学療法概論
  • 運動学実習
  • 運動器系理学療法学
  • 物理療法学
  • 物理療法学実習
  • 運動機能評価学実習
  • 神経系理学療法学実習
  • 運動療法学演習など

研究内容
1. 加齢による運動制御の変化

国民の健康に関する指標として健康寿命があります。健康寿命は要介護状態になるまでの期間を示しますが、転倒は要介護の主たる要因に挙げられています。転倒は加齢による様々な器官に機能低下によって引き起こされますが、高齢者の運動の特徴を理解し、適切な運動指導を行うことで転倒を回避することが出来ます。

高齢者の立位での運動制御の研究を通じて運動を停止する能力が低下することや二関節筋であるハムストリングスの働きが若年者と異なることを明らかにしました(Kasahara,et al, Human Movement Science, 2019; Kasahara,et al, Gait Poature, 2015.)(図1)。さらに、高齢者の運動時の動筋と拮抗筋の間の同時収縮は既に知られているところですが、この同時収縮は筋活動の減少(抑制)の不十分さから引き起こされる可能性があります。現在も引き続き、高齢者の運動制御について研究を進めています。

図1 運動停止課題の研究

図1 運動停止課題の研究

2. 中枢神経疾患に対する理学療法に関する研究

中枢神経系の傷害によって私たちの運動は意のままに動かすごとが出来なくなります。この運動障害に適応するためには学習は重要で、結果の知識(KR: Knowledge of Results)のフィードバックが欠かせません。様々な感覚器から運動に関する情報を収集しますが(図2)、特に、視覚からの情報は重要です。視覚と姿勢・運動制御には密接な関係があります。

近年、バーチャルリアリティ(VR:Virtual Reality)の環境下で中枢神経疾患の理学療法場面でも導入されてきています。中枢神経疾患における感覚と運動の再統合に関与する運動療法の開発に取り組んでいます。

図2 視覚運動適応課題(プリズムレンズと足圧中心の関連付け)についての研究

3. 予防医学における理学療法の可能性に関する研究

健康寿命の延伸についての取り組みは高齢者だけでなく現役世代にも推奨されています。厚生労働省の健康増進普及事業では生活習慣病の発病を予防するために「1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ~健康寿命の延伸~」とし、運動習慣を最重要項目に挙げています。

しかしながら、現役世代は「時間に余裕がない」や「仕事や家事に忙しい」などの理由から運動を始める機会を失っています。また、運動リスクを考えず我流で運動を行うと筋骨格系や循環器系の障害を引き起こす可能性があります。

このようなことから、運動生理学、バイオメカニクス、運動障害と予防などを熟知している理学療法士の介入が期待されます。理学療法士の活躍の場の拡大に寄与したいと考えております。

図3 北海道における特定保健指導の運動指導に関する調査

図3 北海道における特定保健指導の運動指導に関する調査